尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)
尋常性白斑は、皮膚の一部の色が抜けて白くなってしまった状態で、「しろなまず」とも呼ばれます。
身体のすべての部位に起こりうる症状ですが、特に衣服などでこすれる部位から発症することが多いです。
また、頭皮に生じた場合、その部分の髪は白髪になります。
生まれつきの病気ではなく、後天的に発症する病気です。
幼児から高齢者までの幅広い年齢層にみられますが、若い方の発症が多くみられます。
痛みやかゆみなどの症状が現れることはなく、感染のおそれもありません。
ただし外見上の変化が生じるため、症状が精神的なストレスになる患者さんは珍しくありません。
原因
尋常性白斑は、表皮にあるメラニン色素を作るメラノサイトという細胞が減少または消失することで起こります。
メラノサイトが減ってしまう原因は、明らかになっていません。
遺伝や自己免疫疾患、ストレスなどが影響しているのではないかと考えられています。
治療
皮膚科ではまず、ほかの病気ではないか確認します。
症状の視診に加え、必要であれば血液検査や皮膚生検(皮膚の一部を採取して観察する)を行います。
尋常性白斑と診断できたら、免疫の異常なはたらきを抑える薬(塗り薬)を使った治療を行います。
また、紫外線を照射してメラニン色素の再生を促す治療法もあります。
白斑は、放っておくと徐々に広がっていくタイプとそうでないタイプがあります。拡大しないタイプに対しては手術が行われることもあります。