シラミ症
シラミ症はその名の通り、寄生虫のシラミに感染する病気です。
ヒトに寄生するシラミはアタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの3種類で、それぞれ寄生する部位や感染経路が異なります。
シラミ症の種類
アタマジラミ
頭部(頭髪、頭皮)に感染するシラミで児童(12歳以下)に多くみられます。
感染経路としては、遊びやお昼寝など頭と頭が接触するとき、ヘアブラシや帽子などを共有したときなどです。
アタマジラミは経済格差や清潔・不潔に関係なく発生します。
コロモジラミ
衣服や寝具に棲息するシラミで、それらを通して感染します。
入浴する習慣がない民族や、衣類の交換を行わない集団、ホームレスなどに多くみられます。
先進諸国での発生は少ないとされ、日本では戦後の混乱期以降ほとんど発生を確認できていませんでしたが、1992年以降徐々に増加し始めています。
ケジラミ
主に陰毛や肛門付近に生える毛に感染しますが、胸毛やまつ毛、口ひげなどでもみられます。
性的接触をきっかけにうつることが多いです。
症状
典型的な症状はシラミに吸血された箇所に覚える激しいかゆみで、湿疹もみられます。
かゆみが出だしたころには数多くのシラミが寄生している状態です。
かゆみがひどいあまりかきむしって皮膚を傷つけると、そこから細菌感染を起こすこともあります。
またかゆみがストレスとなって精神的な負担になることもあります。
治療
まずは診断が大切です。シラミの卵や虫体を、顕微鏡などを用いて確認します。
アタマジラミはシラミ駆除専用の薬剤(シャンプーやパウダー)を使用し、シラミを取り除きます。
薬剤は卵の状態では効かないため、数日おきに使用して孵化したシラミにも対応していきます。クシで丁寧に頭髪をといて卵を取り除く方法もあります。
またアタマジラミが付着したタオルなどは55℃以上のお湯に10分程度浸して殺菌しましょう。
コロモジラミの場合は着用していた衣類や下着類は破棄し、シャワー等で全身の汚れを洗い流し綺麗な下着及び衣服に着替えます。
ケジラミの場合は、アタマジラミ同様に薬剤による駆除のほか、剃毛により駆除する方法もあります。
パートナーも感染している場合が多いため、パートナーも同時に治療を行うよう指導します。
シラミはせっかく駆除しても周囲も治療していないと再び感染してしまう恐れがあります。一斉に対応していくことが重要です。