瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)
何らかの原因によって頭皮に傷がつき、傷跡が繊維化すること(瘢痕)によって毛包(もうほう、髪の毛が作られる器官)がなくなり毛が生えなくなった状態です。
症状
脱毛と瘢痕(傷の跡)です。
瘢痕性脱毛症の原因となる疾患によっては、頭皮に紅斑(皮膚が赤みを帯び、やや盛り上がった状態)や鱗屑(赤い発疹の上に、銀白色のフケのような垢が載っている状態)などがみられることもあります。
毛包が壊されてしまうとその箇所からは永久に毛が生えてこなくなってしまうため、美容的な問題に悩まされる要因となります。
原因
瘢痕性脱毛症が起こる原因は、大きく2つのタイプに分類されます。
一つは、怪我や事故、火傷、そして全身性強皮症、皮膚がんなどによって頭皮が傷ついた結果、瘢痕が生じるものです。このタイプを「続発性瘢痕性脱毛症」といいます。
もう一つのタイプは、毛孔性扁平苔癬(もうこうせいへんぺいたいせん)や慢性皮膚エリテマトーデス、萎縮性脱毛症などの疾患が毛包を直接的に破壊するもので、原発性瘢痕性脱毛症といいます。
病初期に皮膚生検を行い正しい診断を受けることが大切です。
治療
どちらのタイプとも、瘢痕が生じている箇所から再び毛が生えてくることは残念ながら望めません。
そのため、瘢痕部が広がらないよう原因となる疾患をしっかり治療することが大切です。
そのためには原因に応じたステロイドの局注・外用や抗菌薬の内服などを行います。
また、瘢痕部が狭い場合に限りますが、その箇所を縫い縮める方法もあります(縫縮術)。
脱毛する原因は、瘢痕性脱毛症だけでなく男性型脱毛症や円形脱毛症もあります。
自分の脱毛の原因を早期に知ることができれば改善できる可能性もあるため、気になったら早めに受診しましょう。