掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手の平や足の裏に膿の溜まった皮疹(膿疱)がたくさんできた状態です。
繰り返しできることが特徴ですが、無菌性なので他人に感染することはありません。
症状
手の平や足の裏に赤みやガサガサ、膿疱ができ、皮がむけることもよくあります。
激しいかゆみをともなうこともあります。膿疱は一度治まったかと思えばまた悪化するのを繰り返し、慢性化します。
できやすい箇所は手の平では母指球部(親指の付け根あたりの膨らんだ箇所)や小指球部(小指側の手の付け根あたりの膨らんだ箇所)、足の裏では土踏まずあたりです。
慢性化する過程で別の部位(膝や肘、脛や頭部など)に広がることがあり、また胸などに関節炎(掌蹠膿疱症性骨関節炎)や爪病変(肥厚や陥凹)をともなうこともあります。
原因
原因は明らかになっていませんが、金属アレルギーや喫煙、膿疱がみられる部位とは異なる扁桃腺や歯、鼻などの細菌感染(病巣感染)との関連が指摘されています。
治療
かゆみや皮疹の程度の軽減のためにステロイド外用薬や活性型ビタミンD3軟膏などの塗り薬を使います。
塗り薬で症状が改善しない場合には、光線療法(全身もしくは部位を限って光線を照射する治療法)やレチノイドなどのビタミンA誘導体を短期間服薬することもあります。
最近ではアプレミラストなどの免疫調整薬や生物学的製剤などの治療も取り入れられています。
あわせて、原因として考えらえる病巣感染や金属アレルギーの有無を検査し、それらが見つかった場合は、それぞれ病巣感染では原病巣の治療、金属アレルギーでは歯科金属などアレルギーの原因を取り除いて対応することも重要です。また、喫煙者には禁煙を促します。
掌蹠膿疱症は原因が見つからないことが多く、数年間と長い経過を辿る皮膚疾患です。
しかし、塗り薬などで症状を抑えることもできますので、手足に皮疹がみられたらなるべく早く病院を受診することが大切です。