帯状疱疹
帯状疱疹は、「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスが引き起こす病気です。
ただし、このウイルスに初めて感染したときには帯状疱疹ではなく、水ぼうそう(水痘)として発症します。
水ぼうそうが治った後、体内に潜んだウイルスが再活性した際に起こるのが帯状疱疹です。
水ぼうそう(水痘)
子どもに多い水ぼうそうは、「水痘・帯状疱疹ウイルス」に初めて感染したときに起こります。
はじめは発熱とともにお腹や顔に赤い小さな発疹ができ、徐々に小さな水ぶくれが全身へと広がっていきます。
水ぼうそうは、非常に感染しやすい病気です。もしもお子さんの周りで感染者が生じた場合、保護者の方は注意深く様子をみてください。
発疹や発熱がみられたら、速やかに皮膚科や小児科を受診しましょう。
帯状疱疹の症状
水ぼうそうは1~2週間程度で治りますが、ウイルスはその後も体内(神経節)に潜伏し続けます。
このウイルスは、健康なときには悪さをすることはありません。
しかし加齢や疲労・ストレスなどで体力が低下すると再び活性化し、皮膚に出てきて帯状疱疹を引き起こします。
50歳以上での発症が多いですが、若い方に生じることもあります。
帯状疱疹では、身体の左右どちらかにピリピリとした痛みが生じ、続けて赤い発疹と水ぶくれが帯状に生じます。
放っておくと、ときには強い痛みや高熱を引き起こす場合があります。
また、適切な治療を行わなければ視力や聴力の低下、運動神経麻痺といった後遺症を招くおそれもあります。
最悪の場合はウイルスによる脳炎を発症することもあります。帯状疱疹はよくある病気のひとつですが、その程度は人によって様々で、注意が必要です。
治療について
基本的に抗ウイルス薬(飲み薬)による治療を行い、痛みがひどい場合は鎮痛薬や塗り薬を併用します。
効果が出るまで数日かかることが多いので、自己判断で薬をやめたり、量を変えたりはしないでください。
患者さんによっては、発疹がおさまった後も痛みが長引くことがあります。
これは帯状疱疹後神経痛といい、別の治療が必要な状態です。
痛みが高度な場合は早期から麻酔科に相談した方が、後遺症としての痛みが改善しやすいといわれています。どうぞ無理に我慢せずご相談ください。
帯状疱疹後神経痛などの後遺症を防ぐためにも、初期段階からの適切な治療が非常に大切です。
発疹がみられたら、すぐに皮膚科を受診してください。