真菌・感染症
カビの仲間である「真菌」によって生じる感染症を、真菌感染症といいます。ここでは、代表的なものをいくつかご紹介します。
白癬（水虫、たむし）
白癬の症状
白癬菌（皮膚糸状菌）が原因で起こる感染症です。全身どこでも白癬菌が感染する可能性があり、起こる部位・症状によって、その特徴や呼び名が変わってきます。
足白癬（水虫）
足の裏や指の間などに生じます。かゆみが生じたり、水ぶくれができたりすることがあります。かかとに生じた場合、角質が分厚くなり、ひび割れを起こしてはがれることがあります。
爪白癬（水虫）
足の爪が黄白色ににごり、厚くなります。変形して皮膚に食い込み、痛みを生じることもあります。
体部白癬（ぜにたむし）
体中のあちこちに生じます。強いかゆみをともなう赤い発疹が、輪の形に広がります。
股部白癬（いんきんたむし）
男性に多い症状です。股間に、強いかゆみをともなう赤い発疹が生じます。
頭部白癬（しらくも）
頭皮の毛穴や毛髪に起こります。炎症や毛穴の腫れ、脱毛などを起こします。
白癬の治療
基本的に、塗り薬（抗真菌薬）による治療を行います。
白癬菌は皮膚の奥まで入り込むため、症状がよくなってもしばらく薬を使い続ける必要があります。
角質が厚くなった水虫（角質増殖型）や、毛髪・爪に生じた白癬は、飲み薬で治療します。
また、白癬菌は高温多湿の環境を好みます。そのため、患部の清潔と乾燥を心掛けましょう。
感染を防ぐため、ご家族とのタオルやブラシの共有は禁物です。
似た症状が出る病気も多く、適切な治療のためには正確な診断が必要です。
白癬を疑った場合、まずは皮膚科を受診していただければと思います。
皮膚カンジダ症
カンジダ属の真菌が原因となる感染症です。
皮膚がこすれ合う場所（中指の付け根、股間、乳児のおむつをあてる部位など）に多く、赤くなったり、膿疱（白い膿をもったプツプツ）や赤いプツプツなどの発疹やかゆみが生じたりします。
塗り薬（抗真菌薬）による治療で比較的早く良くなることが多いですが、患部が広範囲の場合は飲み薬を使います。
癜風（でんぷう）
癜風菌が原因で起こります。
胸や背中などあちこちに、薄茶色や白色の斑点ができます。痛みやかゆみなどの自覚症状はありません。
塗り薬（抗真菌薬）で治療を行います。
