蜂窩織炎
皮膚は空気に触れる表面部分から、表皮・真皮・皮下組織という大きく3つの層で成り立っています。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、この構造のうち、真皮の深い部分から皮下組織が炎症を起こす感染症です。
下肢に起きやすく、感染した皮膚の赤み・腫れが急速に拡大し、熱をもったり痛みを感じたりします。
また、38度以上の発熱、悪寒、関節の痛み、頭痛をともなうこともあります。
重症化すると壊死性筋膜炎や敗血症を引き起こし、最悪の場合は死に至るケースもあります。
原因
原因は主に、常在菌である黄色ブドウ球菌への感染です。A群β溶血性レンサ球菌やインフルエンザ菌などが原因となる場合もあります。
外傷ややけど、陥入爪、水虫の部分から侵入した菌が、増殖し炎症を起こします。
糖尿病の患者さんや疲れがたまっている、飲酒などの免疫力を低下させる状態では発症や再発をしやすくなります。
治療
抗生物質を投与します。通常、菌に合った抗生物質を投与すれば数日で症状が治まります。
しかし、いったん改善した症状が悪化することもあるので、抗生物質は必ず処方された量を飲みきるようにし、できる限り安静に過ごすよう心がけてください。
症状が重たい場合には、入院して処置をする場合もあります。