やけど
やけどは、医学用語では熱傷(ねっしょう)と呼ばれます。
高温のものに触れたときだけでなく、それほど高い温度でなくても長時間触れることでやけどをする(低温熱傷)場合があります。
やけどの重症度や深さの分類
やけどの重症度は、皮膚が障害を受けた深さと広さによって分けられます。
傷が深いと跡が残りやすく、皮膚のひきつれが生じたり、手足の動きに障害が残ったりすることもあります。
受傷したところから感染を起こす場合もあります。
小さなお子さんや高齢の方、糖尿病などの持病がある方は抵抗力が低く、重症化しやすくなります。
重症の場合は治るまでに時間がかかったり、命にかかわったりすることもあります。
やけどの深さの分類(Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度)と症状は次の通りです。
Ⅰ度
表皮(皮膚の一番上の層)まで障害された状態です。皮膚の赤みやヒリヒリとした痛み、むくみなどがみられます。
Ⅱ度
真皮(表皮の下の層)まで障害された状態です。皮膚の赤みやむくみに加えて、水ぶくれができ、強い痛みが生じます。
Ⅲ度
皮下組織まで障害された状態です。神経まで損傷するため、痛みはほとんど感じません。血管が傷つき、皮膚の色は白色や黒色になります。
応急処置
やけどをしてしまったら、直ちに流水でしっかり冷やしてください。
衣類の上からやけどをした場合、無理に脱ぐと皮膚をはがしてしまうおそれがあるので、服の上から流水で冷やします。
また、水ぶくれができている場合は潰さないようにしましょう。
アロエを塗るなどの民間療法は、傷の正確な診断を妨げることがあるので控えてください。
治療
皮膚科での治療は、やけどの重症度によって異なります。
軽いやけどであれば、炎症を抑える塗り薬を処方します。重症の場合、手術による治療が必要になります。
一見すると浅く見えるやけどでも、実際には深い部分まで障害を受けていたり、傷跡が残ってしまったりするケースがあります。
軽いやけどだと思っても、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします。