粉瘤
皮膚の下に袋ができて、その中に垢や皮脂が溜まっている状態です。アテロームともいいます。袋は正確には袋状の構造物で、毛穴の一部や表皮が皮膚の内側(真皮)にめくれたり入り込んだりしたものです。
見た目はドーム状に盛り上がっており、大きさはまちまちです。直径1~2cmほどのものもあれば、10cm以上になるものもあります。頭や首、太ももやお尻など体のどこにでもでき、毛が生えているところにもみられます。
症状
粉瘤は特に自覚症状はありません。垢や皮脂が溜まっていけば大きくなりますので、見た目が気になることもあります。圧迫すると、腫瘤のおへそから臭い物質や液体が出ることもよくあります。
また、細菌感染が起こると赤みを帯びて腫れ上がったり、痛みをともなったりします。これを炎症性粉瘤といいます。細菌がいなくても、袋が破れて内容物が皮膚の中に放出されることによっても激しい炎症を引き起こします。
原因
袋ができる理由は、明らかにされていません。外傷やHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染などが考えられています。
治療
粉瘤は垢や皮脂が溜まった良性の皮膚腫瘍なので、特に問題がなければ治療する必要はありません。ただ、自然に治ることも基本的にはありません。炎症性粉瘤の場合は抗生物質を処方したり、切開排膿をしたりして炎症がおさまるように治療します。
治療法
粉瘤を完全に治療するには、袋状の構造物を手術によって取り出す必要があります。この手術は炎症が長時間(少なくとも2~3カ月)はともなっていないときに行います。
当院では手術は行っておりません。手術を行っている施設のご紹介は可能ですので、ご希望の方はお申しつけください。